朽ちゆく昭和の記憶 「モハ1号」と「モハ61号」 [冬鳥越スキーガーデン]

新潟県加茂市の冬鳥越スキーガーデンには、新潟県最古の木製電車「モハ1号」と半鋼製電動客車「モハ61号」が展示されています。

古き良き昭和の時代に人々の足として大活躍した電車たちの雄姿を、ご紹介します。

かつて新潟県加茂市には「蒲原鉄道線」という鉄道路線が通っていました。

これは、新潟県加茂市ー新潟県中蒲原郡村松町(現:五泉市)-新潟県五泉市を結ぶ路線距離21.9Kmの私鉄でした。しかし、昭和60年に加茂ー村松間が廃止、平成11年には村松ー五泉間が廃止となり全線廃止となりました。

【参考】

加茂市の冬鳥越スキーガーデンは、当時の「冬鳥越駅」の跡地になります。
(正確には、営業当時は「駅に隣接するスキー場」だったのですが、現在はスキー場兼公園となっている形です)

ここに、新潟県内最古の木製電車「モハ1号」と半鋼製電動客車「モハ61号」、そして電気機関車「ED1」が当時のままの姿で展示されています。

大正12年生まれの働き者「モハ1号」。今は冬鳥越で静かに休んでいます。

大正12年生まれの働き者「モハ1号」。今は冬鳥越で静かに休んでいます。

新潟県内最古の木製電車。「生まれてから僅か4年半で木製電車から半鋼製電車の時代に」という、時代の移り変わりの早さを物語るエピソードは、移り変わりが激しい現代のIT関連産業にも通じるものを感じます。昭和29年まで現役で走り続けたそうです。

新潟県内最古の木製電車。「生まれてから僅か4年半で木製電車から半鋼製電車の時代に」という、時代の移り変わりの早さを物語るエピソードは、移り変わりが激しい現代のIT関連産業にも通じるものを感じます。昭和29年まで現役で走り続けたそうです。

「モハ1号」内部。暖かい木の素材感と白い天井のコントラスト、そして凝った照明がお洒落に映えます。

「モハ1号」内部。暖かい木の素材感と白い天井のコントラスト、そして凝った照明がお洒落に映えます。

「モハ1号」操車装置。とてもコンパクトな印象です。

「モハ1号」操車装置。とてもコンパクトな印象です。

こちらは「モハ61号」。平成11年まで現役で働き続けました。

こちらは「モハ61号」。平成11年まで現役で働き続けました。

先輩である「モハ1号」の定員が66名であるのに対して、「モハ61号」は110名。より多く、より速く…技術革新と鉄道の発達の軌跡が見て取れます。

先輩である「モハ1号」の定員が66名であるのに対して、「モハ61号」は110名。より多く、より速く、より遠くへ…工業技術の革新と鉄道の発達の軌跡に思いを馳せる。

「モハ1号」と比べると、かなり現代の電車に近づいた印象ですね。天井の照明は蛍光灯に変わり、扇風機も備え付けられました。

「モハ1号」と比べると、かなり現代の電車に近づいた印象ですね。天井の照明は蛍光灯に変わり、扇風機も備え付けられました。

「モハ61号」操車装置類。

「モハ61号」操車装置類。

電気機関車「ED1」

電気機関車「ED1」

なんと!?70年も現役で活躍したそうです!!本当にお疲れさまでした。

なんと!?70年も現役で活躍したそうです!!本当にお疲れさまでした。

「ED1」内部。客車ではないため非常にシンプル…だけどメカニカルな印象です。

「ED1」内部。客車ではないため非常にシンプル…だけどメカニカルな印象です。

何かの装置?素人なので判りませんが、「東洋電機製造株式会社」が印象的でパシャリ!

何かの装置?素人なので判りませんが、「東洋電機製造株式会社」が印象的でパシャリ!

70年もの間働き続けた操車装置。今、70年も現役で動かせる乗り物が製造できるんでしょうか?85年ほど前に、それだけの耐久性と信頼性を併せ持った工業製品を製造できた…という事実が、私には衝撃でした。素晴らしい仕事です。

70年もの間働き続けた操車装置。今、70年も現役で動かせる乗り物が製造できるんでしょうか?85年ほど前に、それだけの耐久性と信頼性を併せ持った工業製品を製造できた…という事実が、私には衝撃でした。素晴らしい仕事です。

惜しむらくは、これらの車両が雨曝状態で展示されており、年々目に見えて劣化が進んでしまっていることです。

展示された当初はピカピカに…本当に新車のように綺麗にレストアされてのお目見えだったんですが、どんどん痛みがひどくなっています…本当に勿体ない!!

実は以前、同じ「旧蒲原鉄道線の車両」が五泉市に展示されている写真をご紹介しました。

こちらは屋根で覆われており、比較的綺麗な状態を保っている印象を受けました。

屋根をかけるにも大変なコストがかかるかと思いますし、「雨曝の方が当時の雰囲気を出せる」というご意見もあろうかと思いますが…今回、解説を読みながら、彼らの誕生から活躍に思いを馳せながら撮影を進めるうち、もっと快適な環境で休ませてあげたいという気持ちになりました。

屋根はかけてあげられないまでも、彼ら「引退した働き者」たちに対する敬意と労りの気持ちを大事にしたいと思いました。

古い電車にご関心をお持ちの方は、是非加茂市の「冬鳥越スキーガーデン」で実際の雄姿をご覧になってください。

今の時期ですと、電車たちの他にも綺麗なバラや色とりどりの花に彩られた花壇、ペットボトルの風車が歓迎してくれますよ!

バラ園も併設されており、無料で鑑賞できます。

バラ園も併設されており、無料で鑑賞できます。

花壇…じつは、何気に「花時計」だったりするんです。

花壇…じつは、何気に「花時計」だったりするんです。

そして…何故か?ペットボトルの風車がお出迎え!?入場は無料ですよ。

そして…何故か?ペットボトルの風車がお出迎え!?入場は無料ですよ。