日本がイスラム国のテロに直面する日

2015年11月13日に発生したパリ同時テロ。

翌14日にはオランド仏大統領が今回の同時テロ事件を「イスラム国の犯行」と断定しました。

劇場、料理店、競技場といった「平和な日常」の場で突如発生したテロ事件…約130名もの尊い犠牲と350名以上とされる負傷者の皆さん。

「平和な日常」から突如、恐怖と絶望が支配する地獄に叩き落とされてしまう…事件当時の皆さんの気持ちを察すると、何ともいたたまれない気持ちになります。

犠牲者の方々のご冥福をお祈り申し上げ、命を保った被害者の皆さんの心の傷が一日も早く癒えるよう願います。

この事件の後、私の周囲では

「日本にもいつかイスラム国によるテロ事件が起きるのではないか?」

という話題がちらほら聞こえるようになった。

個人的に、現時点ではその可能性はそんなに高くは無いと思います。

でも、「近い将来」となると…【起きてもおかしくない】と思う。

よく、

「日本は入国時のセキュリティが厳重だから、絶対にイスラム国の戦闘員が入国できない!」

という主張を目耳にするが…はたして、それはどうだろうか?

いわゆる「イスラム国の戦闘員」というと、「イスラム文化圏の人々」をイメージしてしまいがちだが、実際のイスラム国戦闘員は「イスラム文化圏【以外】の人々」が非常に多い。

(参考)イスラム国の外国人戦闘員ランキング

パリ同時テロ事件に関しても、首謀者(とされる人物)はモロッコ系ではあるものの「ベルギー人」であるとされています。

イスラム国戦闘員が「私はイスラム国戦闘員です」と首から名札をつけて、或は一目で「それ」と分かるユニフォームを着て入国しようとするなら、入国を阻止するのも簡単です。

だがしかし、実際には外国人戦闘員としてイスラム国の戦闘に参加した後に母国に戻り、戻った母国でテロ事件を起こすという「出戻りテロ」は入国阻止が難しく、非常に警戒されているのです。

実際、イスラム国に参加した訳ではありませんが、実際にイスラム系シリア反政府組織に参加した後にスンナリ日本に帰国できた…という人物まで実在するのです。

万一、「日本国内でテロ事件を起こす」という目的を持った人物が、こうした形で「スンナリ」帰国してきたら…防ぐことは非常に難しくなる。

明確に敵味方判りやすい形で無く、このように「民間人とテロリストの区別が難しい」ことが、テロ事件の特徴ともいえそうです。

そしてもう一つ大事なこと…それは、

絶望や憎しみは、新たなテロリストを生む

ということ。

中には「銃を撃ってみたいから」「面白そうだから」「人を殺したいから」といった理由でテロリストとなる人物もいるかも知れませんが、シリア内戦などの戦禍により家や家族を失ったり、世界各地で人生に絶望してしまった人々がテロリストとなってしまっていることも事実。

日本も集団的自衛権の名のもとに自衛隊が海外でも活動するようになります。

もしも戦闘が発生してしまえば、否応なしに「誰かの悲しみ」「誰かの絶望」を生むことになるのです。

「集団的自衛権」というオプションが選択可能になる…これは既に決まったこと。

私たちが選挙で選び、この国を動かす聡明な方々が決めたことなのですから、私はこれ自体を今からどうのこうの言おうとは思いません。

ですが、このオプションにより、日本国外で「誰かの悲しみ」「誰かの絶望」が生じてしまわないことを切に願います。

もし生じれば、この国でも「平和で無防備な場所」が突如地獄絵図へと変わるような事件が起きる可能性が高まるでしょう。

実際、既に国外では日本人の命が失われている…ということを、決して忘れてはいけません。

一般市民も戦闘員も、どちらも生身の人間であり、本来等しく「幸福になるため」に生まれてきたはず…これが、民主主義という考え方だったはずです。

確かにイスラム国の主張を受け入れるのも難しいように思いますが…でも、武器は誰にも幸福を与えてはくれないと思うんです。